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運動関連性一過性腹痛

Definition

運動関連性一過性腹痛(exercise-related transient abdominal pain、ETAP)とは、ランニングなどの運動中に肋骨下縁付近を中心として現れる一時的な局所痛です。強い場合は鋭い・刺すような痛み、軽い場合はけいれん、うずき、引っ張られる感覚として表れます。一般には「脇腹痛」「差し込み」「サイドステッチ」と呼ばれます。

主な特徴

  • 発生場面 — ランニングや乗馬など、体幹を伸ばした姿勢で反復運動する活動に多くみられます。
  • 部位 — 肋骨下縁に沿う腹部側面が代表的ですが、腹部のどこにでも起こり得ます。
  • 左右差 — 研究では右側の痛みが左側より多い傾向が報告されています。
  • 痛み方 — 痛みが強くなるほど、局所的で刺すような感覚になりやすいとされています。
  • 関連痛 — 横隔神経が関係する組織からの関連痛として、肩先の痛みを伴う場合があります。

考えられている仕組み

ETAPの原因は一つに確定していません。横隔膜の虚血、内臓を支える靱帯への負荷、消化管の膨張、腹筋のけいれん、胸椎由来の神経刺激など複数の説があります。研究レビューでは、体幹の反復運動によって壁側腹膜が刺激される説が症状の特徴を比較的よく説明すると整理されています。一方、肺機能や筋電図を調べた研究では、横隔膜の機能低下や局所的な筋けいれんだけでは説明しにくい結果も示されています。

起こりやすい条件と予防

食後の状態、とくに高張性の糖分が濃い飲料はETAPを誘発しやすい条件です。大きな食事や大量の飲料は運動前に時間を空け、走り出しは急に上げず、姿勢と呼吸リズムを整えます。胸郭周辺の姿勢を保ち、体幹を支える筋力を養う方法も予防策として挙げられています。ただし、原因が完全には解明されていないため、どの方法も全員に同じ効果を保証するものではありません。

受診を考える場面

典型的なETAPは運動を緩めると改善します。安静時にも続く、数日以上残る、徐々に強くなる、発熱・吐き気・黄疸・血尿を伴う、または我慢できない激痛がある場合は、運動時の差し込みと決めつけず医療機関へ相談する必要があります。

参照(sameAs)

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